子どもの偏食がひどいのですが・・・

偏食といっても理由はいろいろ

偏食も基本的には時間が解決します。

 

でも、毎日のことだからとあせってしまいますね。

 

偏食というとわがままだと思う人が多いのですが、
偏食にはそれなりの理由があります。

 

なぜ偏食が目立つようになるのか?

1歳後半から偏食が目立つのは、
子どもに「選ぶ力」がつくからです。

 

好きなものを選び、嫌いなものを避けるから、
大人から見たら偏食ということになるのです。

 

嫌いになる理由もさまざまです。

 

アレルギーがある場合には、
自分を守るために「キライ」になる子がいます。

 

しかし、それ以外は、感覚の敏感さが
偏食の原因になっていることが多いのです。

 

口腔にへばりつく感覚がイヤであんかけなどの
調理形態のものが食べられないといった姿が出てきます。

 

嗅覚が敏感な場合は、においのきつい野菜や
特定の風味のものが受けつけられなくなります。

 

学童期まで「偏食の女王」だった私は、
嫌いな献立をつくるにおいがしただけでキレていました。

 

高学年になり偏食はましになりましたが、
出されたものをまあまあなんとか
食べられるようになったのは大人になってからです。

 

嫌いなものを「まあいいか」と
受け入れられるようになったということです。

 

その分、好きなものの好きさが減少し、
大福やチョコレートのようなお菓子や、桃・バナナといった
果物を姉妹と取り合った日をなつかしく感じています。

 

受け入れられる世界が広がり、嫌いな食品の
「キライ度」が私の中で相対的に小さくなっているのです。

 

幼児の場合、世界がまだ狭いために心の中での
「嫌い度」が大きく、
嫌いなものを避けざるを得ないのです。

 

それでは偏食は放置してよいでしょうか?

嫌いなものがあるのは当たり前のことですから、
少々の偏食であれば、幼稚園や保育所に行くようになって
仲間に目が向けば軽減されるので心配する必要はないです。

 

心配であれば、

  • 空腹のときに食べること
  • 戸外で食べるなどの新鮮な体験を工夫すること
  • 食べさせ合いやお手伝い

など、子どもが食事に主体的に
参加できる取り組みをしてみてください。

 

感覚世界を広げる取り組み

極端な偏食への取り組みにおいて大切なことは、
偏食の原因になっている子どもの感覚世界の狭さに対する
取り組みや、不快体験の軽減の取り組みを工夫することです。

 

トランポリンやブランコのような揺れの感覚、
マッサージやボールプールのような触れる感覚など
子どもの体全体の感覚世界を広げていきます。

 

そして、受け入れられる世界を少しずつ広げていくことが、
遠回りのようでじつは重要な取り組みとなります。

 

こうした取り組みは家庭では困難です。
先生方に相談してください。

 

本人が元気なら大丈夫

せっかくつくったのに食べてくれないと腹も立ちますし、
このままで大丈夫なのかと心配になりあせるのですが、
本人が元気なら大丈夫です。

 

『少し食べてくれればめっけもの』ぐらい
の姿勢でいたほうがいいでしょう。

 

無理に食べさせたり、逆に、「食べてくれるなら」と
好きなチョコレートを毎食食べさせるといったことは、
問題を長引かせることにつながります。

 

食べられる食品を基本に、
少しずつ献立のバラエティを広げていきます。

 

冷奴を食べるなら湯豆腐など豆腐料理の幅を広げる、
ヨーグルトなど白い食べ物も試してみるなどといった具合です。

 

「食事は楽しむもので、苦しむためのものではない」
というスタンスで乗り切っていきましょう。